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子どもと共につくる学校 アメージングカレッジ / 埼玉県東松山市

教育の概念を変える!アメージングカレッジの教育

更新日:2023年12月30日




戦後の1947年(昭和22年)から、現在まで続く小学校6年、中学校3年の計9年間の義務教育。75年もの間続く、義務教育制度に疑問を抱いたことはありませんか?集団より個々の力が求められるようになった今、これからを担う子どもたちに必要な学びとは?今大人たちができることは?その答えが「アメージングカレッジ」なのです。

75年続く義務教育の今

「保護者は子どもに就学させる義務がある」と初めて制定されたのは1886年(明治19年)のこと。その後、幾多の法改正が行われ、戦争を経て今の形になったのが教育基本法、学校教育法が制定された1947年(昭和22年)です。国語、算数、理科、社会など、各教科で教えるべき内容を示した学習指導要領もこの時期からスタートしました。その後数回の改定が行われ現在に至ります。

経済格差に影響されずに当たり前のように小学校に入学し、基礎教科を無料で学べる義務教育制度は画期的である一方で画一的な側面もあります。およそ30人の子どもたちに対して教師1人が主導で行う一方的な授業。テストのために必死で詰め込む記憶力頼みの学習。このやり方についていけないと、集団という枠から弾き出され、結果的に義務教育を全うできない状況が生み出されてしまう。このような子どもの声(個性)を無視した学びをこれからの将来を担う子どもたちに続けさせなければならないのでしょうか。

今の義務教育って本当にこのまま続けるべきなの?

見るべきは教科書でも指導要領でもない。 目の前にいる子どもたち

学習指導要領に則って授業を遂行していくわけですが、その授業のほとんどがパッケージ化されているのが現状です。教員一人に対し児童およそ30人がただただ授業を聞く。知識を詰め込む。“子どもたち一人一人をしっかり見る”なんてことは不可能に近いのも事実です。でも、教員が本当に見るべきは、教科書でも学習指導要領でもなく、目の前にいる子どもたち一人一人のはず。子ども一人一人が発する本当の声を拾い上げるべきなんです。今この記事を読んでいる方の中には子どもの声、ちゃんと聞いてるよ!と思う方もいるかもしれません。でも、実はそれ、大人が勝手に聞いたつもりになっているのかもしれません。大人が勝手に解釈して変換しているのかもしれません。そんな疑問を持った一人の小学校教員が「子どもの心からの声を大人みんなで聞くことが、教育の概念を変える第一歩」であると気付き、アメージングカレッジを創ったのです。

未来を想像し、未来を創造する 「未来そうぞう科」って?

これからの時代を生きていく子どもたちにとって、必要なのは希望に満ちた未来がやってくるのを待つのではなく、そんな未来を自らが想像し、創造することです。そんな子どもを育むには、今の学習指導要領に基づく教育カリキュラムの中では難しい。そこで「未来そうぞう科」が生み出されたのです。

未来そうぞう科とは、大阪教育大学附属平野小学校が文部科学省指定研究開発学校として「未来をそうぞうする子ども」の研究にて、2016年に創設した新教科です。形としては、現在、学校教育の中に位置づいている生活科、総合的な学習の時間、特別活動をまとめた教科です。アメージングカレッジでは、この附属平野小学校での取り組みを先行研究とし、「未来そうぞう科」を軸としてカリキュラムづくりを行っています。この研究においては、未来そうぞう科以外に各教科の授業も全て行う形で確立していましたが、アメージングカレッジでは、この未来そうぞう科の中に各教科の要素も盛り込み、カリキュラムを組み立てていきます。未来そうぞう科が学びの軸となるのです。


どういうことかというと、未来そうぞう科には3つの領域があり、それらの活動の中で、小学校で学ぶ学習指導要領の内容も網羅していくことができるように学習を進められる方法を開発しています。各領域で行うことは下記の通り。

A領域・・・好きをとことん追求する

A領域は自分自身が対象です。自分の好きをとことん追求するのですが、例えばお茶が好きな子はお茶についてとことん追求していき知識を得ます。好きが極限に達すると今度は人に伝えたくなります。さらに段階が進むと今度は好きの交換が始まります。最終的には好きをどう“生きる”に活かすのかまでつなげます。

B領域・・・仲間の中で自分の居場所を見つける

B領域は集団・人間関係が対象です。学校では学年で区切られて、高学年はリーダーシップをとるもの、低学年は上の学年の言うことを聞くものというように、役割が勝手に与えられてしまうことが少なくありません。しかし、アメージングカレッジには学年の概念はありません。年齢、性別関係なく、まずは集団っていいな、楽しいなと感じる。次の段階で集団の中で自分の役割を意識し始めます。最終的には今のメンバーの中だったら自分はこんなことができるかもと考えるようになっていきます。これらの経験を通して、仲間意識を育んでいくのです。

C領域・・・社会・自然と関わり、よりよい未来を創造する

C領域は社会・自然が対象です。この領域では「1回ではうまくいかず、繰り返しチャレンジすることに繋がること」を題材にします。自分たちで取り組みたいと思ったテーマを決めてスタート。最初は触れられるもので。例えば学校で飼っている動物との関わり合い。次に地域や環境などちょっと間接的なテーマに。その次に自らが一歩踏み出さないと関わらないようなテーマを題材に。どの段階でもつまずくことや失敗することもあると思いますが、子どもたちにとっては、必ずしも「失敗」ではありません。失敗ではなく、進む道を変えただけなのです。つまり、多面的・多角的に物事を捉えられる、何事にも新たな意味や価値を見い出せる力を育むことに繋がるのです。

未来そうぞう科では何事にも新たな意味や価値を見出し、よりよい未来を実際に想像・創造することを最終ゴールにしています。

学校の概念が根底から覆る! 子どもが学びを見つけ出す「アメージング・カレッジ」

未来そうぞう科を軸に子どもたちの好き!知りたい!やりたい!という好奇心や探究心から学びを見つけていくという日本初、子どもたちがつくる学校、それがアメージングカレッジです。新しい学び、そして教育の形。前例がないので、多くの人が、国語は?算数は?授業ってどうやるんですか?疑問符だらけだと思います。

アメージングカレッジがやろうとしている未来そうぞう科のカリキュラムや授業後の展開などは日々アップデートされ、子どもたちの成長は大人たちの想定を軽々と飛び越えていくでしょう。そんな全く新しい学びの価値観である未来そうぞう学校。現在進行形で進化中です。

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