子どもたちにとって好奇心・探究心の種が眠る学校の図書館。本を読むことは新しい世界の扉を開くことでもあります。それは子どもも大人も同じです。
「あなたを変えた運命の一冊は何ですか?」
今回はアメカレ館長の町山辰也さんに伺います。
本をほとんど読まない僕の心に唯一残る一冊
「窓ぎわのトットちゃん」
僕、漫画は結構読むんですけど、本はほとんど読まないんです(笑)。そんな僕の頭に唯一浮かぶ本が、黒柳徹子さんが書かれた「窓ぎわのトットちゃん」です。今は亡き父が、僕が小学生の頃に何度も何度も読んでくれたことを思い出します。トットちゃんこと、作者の黒柳徹子さんが通っていたトモエ学園での出来事を綴った自伝的物語なんですが、こんな先生がいたらいいなとか、自分は自分らしくいていいんだなと幼いながらに感じていたように思います。小学生当時の僕は、通っていた学校に疑問や違和感を感じていたのですが、それらを認めてくれるようなそんな感覚もありました。この時は将来学校づくりに携わるなんて思ってもみませんが、頭のどこかにトモエ学園のことがずっとあったり、物語に出てくる校長の小林先生の影響も少なからずあって、今アメカレに関わっているのかな、なんてつながりも感じています。
人はみんな違っていいんだ! あなたを理解してくれる人は必ずいる
「窓ぎわのトットちゃん」は、人はみんな違っていいんだ!そんなことを教えてくれる一冊です。学校という場で自分らしく生活できないな、と感じる子や親御さんにもぜひ読んでみてほしいです。
町山辰也さん
アメージングカレッジ館長
窓ぎわのトットちゃん
2021年に出版40年を迎えた戦後最大のベストセラー本。日本にリトミックを紹介した小林宗作氏が創設したトモエ学園のユニークな教育と、学園に通う子どもたちの姿を描いた一冊。日本のみならず世界中で愛読されている。
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